家庭で活躍するエコキュートですが、ある日突然「P27」というエラー表示が出て驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、P27エラーが何を意味するのか、どのようなメカニズムで発生するのか、そして正しい対処法についてわかりやすくご説明します。

P27エラーの内容とは?
三菱のエコキュートで「P27」というエラーコードが表示された場合、それは出湯切替弁に異常があることを示しています。
とくに問題となるのは、弁が本来の待機位置(原点)に戻らず、中途半端な位置で止まってしまっている状態です。
このままだとお湯の流れが正しく切り替わらず、熱くなったお湯をタンクに戻すことができなくなってしまうため、エラーが発生します。
エコキュートの加熱サイクルとエラーの関係
エコキュートは、次のような2段階の流れでお湯を加熱・貯湯しています。
- 加熱初期
ヒートポンプで一度温めたものの、まだぬるいお湯を再びヒートポンプに戻して加熱を続ける段階。 - 加熱完了後
十分に温まったお湯を、貯湯タンクの上部に送って貯める段階。
P27エラーが発生すると、最初の段階から次の段階に切り替えるための弁が動かなくなり、
熱いお湯がいつまでも循環するだけでタンクに戻らないという状態に陥ります。
よく見られる症状
このエラーが原因で、次のような現象が起こることがあります。
- お湯の出が弱くなる、または出ない
- 温度が安定せず、ぬるいと感じることがある
- タンクにお湯が貯まらず、すぐ湯切れになる
- ヒートポンプの運転時間が長くなり、電気代が増える
- 本体の他のパーツにも余計な負担がかかる
原因として考えられること

P27エラーを引き起こす原因はさまざまですが、主に次の3つが挙げられます。
1. 機械的な劣化
- 長年の使用によって、切替弁の動作部品が摩耗して動きが悪くなる
- 弁そのものが途中で固まり、元の位置に戻れなくなる
2. 電子制御のトラブル
- 落雷や瞬時停電などで、制御基板が誤動作を起こす
- センサーが誤った信号を出して、弁の切り替え指示ができなくなる
3. 配管まわりの問題
- 水質の影響で、配管内部に汚れや堆積物が溜まり、弁の動きが制限される
- 異物が入り込んで通水経路をふさいでいる場合も
これらの要因が絡み合うことで、エラーが引き起こされます。
応急対応としてできること
一時的なリセット
- エコキュートの主電源を一度切り、30秒程度待ってから再び電源を入れる
→ 一時的な誤作動なら、これで復旧する場合もあります。
→ ただし、これはあくまでも仮の対応であり、根本的な修理が必要なことがほとんどです。
運転を中止する
- エラーが継続する場合は、安全のために早めに運転を止めてください。
→ 状態を無理に維持しようとすると、さらなる故障につながるリスクがあります。
根本的な解決方法
P27エラーが再発する、またはリセット後も復旧しない場合は、専門業者に点検を依頼することが最善の方法です。
対応内容の例:
- 切替弁の状態確認と必要な部品の交換
- 機器内部や制御基板の動作確認
- 水まわりの異常がないか全体的なチェック
交換が必要になった場合、費用の目安は2〜5万円前後です(機種や状況により異なります)。
なお、一般の方がご自身で内部に触ることは、事故やさらなる故障の原因となるため推奨されません。
トラブルを防ぐためにできること
定期点検の実施
- 年に1度程度、専門業者による点検を受けることで、劣化や不具合を早期に発見できます。
- 日常的にも、リモコンの表示や運転音に違和感がないか気をつけておきましょう。
水質への配慮
- 硬水エリアでは、配管や機器内部に影響が出やすいため、水質に不安がある場合は軟水器の導入も選択肢のひとつです。
まとめ:P27エラーは放置せず、早めに対応を

P27エラーは、エコキュートの要となる「お湯の流れを切り替える機構」に不具合が起きているサインです。
このエラーを放置すると、次のような問題につながる恐れがあります。
- お湯が十分に使えない
- ヒートポンプの無駄な稼働による電気代の上昇
- 他の部品の故障リスクが高まる
早めに異常に気づき、適切な対応を取ることで、被害を最小限に抑えることができます。
エコキュートを長持ちさせるためにも、正しい知識と日々のちょっとした気配りが重要です。